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土地の境界線とは

「土地の境界線」と言っても、実際に地面に線が引いてあるわけではありません。土地には、個々の土地の地番ごとを区画する公法上の区分線「筆界」があり、境界は登記情報で公示されています。一般的にはこの筆界を、境界線と呼ぶことがあるのです。

不動産査定や土地取引で使われる「境界線」は、隣の所有者との境目にある筆界をつないだものを指します。

土地の不動産査定の前にはまず境界線を確認

売却したい土地と、隣の土地との境界線を明確にしないまま売却活動に入ってしまうと、トラブルが生じやすくなってしまいます。

まず、不動産査定の段階で土地の広さが明確でなければ、正しい査定額が算出されません。さらに売却活動をしていると知った隣地の所有者から、土地の境界線が違うという苦情が入ることもあります。土地を購入した買主が家を建てる際にトラブルになってしまうと、多くの人を巻き込んでしまうため注意が必要です。

自分で確認できる場合

境界線は地面に線が引いてあるわけではなく、「境界杭」と呼ばれる境界標が打たれている場合があります。長方形や台形、ひし形などの四角い土地の場合には、境界線の頂点に当たる4隅に境界標が打ってあり、この境界標に示された境界点同士をつなぐ線が境界線となるのです。

自分では確認できない場合

不動産相続で先祖代々の土地を所有した場合など、土地を所有してから長い年月が経過している場合は境界標がなかったり、境界標はあっても境界点が見えなくなっていたりすることも少なくありません。

自分では土地の境界を確認できないという場合は、境界標を復元する必要があります。ただし、自分で勝手に復元すると、隣人とトラブルになりかねません。まず、法務局から登記事項証明書を受け取り、近隣住民立ち合いのもと、資格を持った測量士による測量を実施します。その上で境界標を設置すれば、後々のトラブルを防げるでしょう。

測量に必要な手続き

土地の測量を行って境界を明確にする際の手順としては、まず、地積測量図や登記簿などの資料を準備し、近隣に測量をする旨を伝えます。そして隣地所有者の立ち合いのもと測量を行い、境界標の設置や書類の作成が行われるのです。

不動産登記法に関する測量は「測量士」ではなく、土地家屋調査士に依頼しなければなりません。依頼方法は、インターネットなどで土地家屋調査士を探し、直接依頼するのが一般的です。売却を考えている場合なら、不動産会社に相談し、土地家屋調査士の紹介を受ける方法もあります。

測量にかかる費用

土地の場所や状況にもよりますが、土地の広さが100坪（約330平方メートル）未満の場合、測量の費用は40万円前後かかります。土地の形が複雑であったり、土地が広かったりすると高額の測量費用がかかる場合もありますので、事前に確認しておくと安心です。